地場大手スーパー、バナナの葉利用でプラスチック袋を削減

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年04月25日

地場大手スーパーマーケットのコープマートベトナム、ビッグC、サイゴンコープなどは4月から、野菜などを包装する際に、プラスチック袋に代えて、バナナの葉を使用する取り組みを始めた。この取り組みに対し、グエン・スアン・フック首相は「環境に影響を与えるプラスチックの使用および、ごみの投棄を制限する実効性ある方法」とした上で、「スーパーや消費者の意識、責任、習慣を変え、生活環境の保護に積極的に貢献した」と、この活動を高く評価している。

またフック首相は、社会に向けプラスチック袋や廃棄物を最小限にするよう呼び掛けるとともに、あらゆるレベルの省庁が積極的に解決策を実施し、環境に優しい製品の使用を奨励、分解が困難なプラスチック袋の生産と使用を徐々に減らすよう提案した(トイチェ-オンライン新聞4月5日)。

ベトナムでは、企業による環境保護の取り組みが進んでいる。スーパーやカフェでは、プラスチック製ストローの代わりに、天然素材製のストローや再利用可能なストローを提供・販売しているほか、ティキ(Tiki)などのオンラインショッピングサイトでも現在、数種類の脱プラスチック製ストローを見かけるようになった。

ジェトロのヒアリング(4月19日)によると、ホーチミン市内のコープマートで野菜を購入した消費者は「バナナの葉で包むと、安全で新鮮な野菜という感じを受ける。この取り組みを継続してほしい」と答えた。また、従業員は「店舗の従業員が自ら包装作業をするため、早朝からの作業となるが、環境にやさしい良い取り組みだと思う。現在は一部野菜のみの包装だが、他の商品にも拡大の予定だ。ベトナム政府の環境保護強化の意向もあり、プラスチック袋や製品はなるべく減らす。バナナの葉の仕入れも簡単だ」と前向きだ。最近では、伝統的市場の店舗においても、環境面を気遣う消費者に配慮し、バナナの葉を使うケースがあるという。

写真 地場スーパーの野菜コーナーの様子(ジェトロ撮影)

地場スーパーの野菜コーナーの様子(ジェトロ撮影)

写真 バナナの葉で包んだ野菜(ジェトロ撮影)

バナナの葉で包んだ野菜(ジェトロ撮影)

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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