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進む環境改善、船舶解体業者の取り組み

(バングラデシュ)

ダッカ発

2019年04月25日

バングラデシュは、世界で最も船舶解体ビジネスが盛んな国だ。2017年のバングラデシュの年間取扱量は630万トン、世界シェアは約30%に上る(添付資料参照)。これに、インド(576万トン)、パキスタン(430万トン)、中国(357万トン)が続き、上位4カ国だけで市場全体の9割以上のシェアを占める。かつて、バングラデシュの船舶解体業の労働環境は劣悪で、政府はこれを改善するため2011年に「船舶解体リサイクル規則(The Ship Breaking and Recycling Rules)」を施行し、環境改善を図った。

現在、バングラデシュでは70程度の解体業者が事業活動を行っている。ジェトロは4月6日、地場大手のPHP Shipbreaking and Recycling Industries(以下、PHP)の、モハマド・ザヒルール・イスラム代表取締役から話を聞いた。

(問)PHPの事業概要は。

(答)PHPは1982年から事業を開始した。現在は35億タカ(約45億5,000万円、1タカ=約1.3円)を売り上げる規模に成長した。PHPでは、5年前までは3,000人の労働者が主に手作業で船舶を解体していたが、マグネットクレーンなどの重機を導入し大幅な機械化を進めた結果、現在は220人体制となった。一般貨物船規模である1,700トン程度の船舶であれば、4カ月ほどで解体できる。

(問)解体された船舶の売り先は。

(答)解体された船舶は、素材ごとに選別され、主に地場市場向けに販売される。同社で解体された船のうち、99%はリサイクルされるか再び部品として販売され、わずか1%しか廃棄物を出さない。主にはプロペラや鉄、アルミニウム、ニッケルなどは高く売買され、プロペラは欧州や日本にも輸出される。

(問)事業を実施する上で、重視していることは。

(答)コンプライアンス順守だ。当社では、解体施設での労働安全と環境保全を目的とした「船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」(2009年採択)の基準を順守した事業を行っている。具体的な取り組みとしては、600万ドルの設備投資を行い、排水処理設備や労働安全を確保するための重機を導入するなどしている。さらには、安全や環境に配慮した事業運営をしているとして、イタリアの第三者認証機関であるRegistro Italiano Navale(RINA)からも認証を受けている。今後は、日本海事協会が発行する船舶リサイクル施設への適合鑑定書の取得を目指し、日本からの船舶購入も検討したい。

(問)解体事業における課題と今後の方針は。

(答)船舶解体業に対するイメージを変える必要がある。その一環として、コンプライアンスの徹底はもちろん、従業員の安全確保や技術研修に取り組む。船舶解体業を管轄する工業省と連携し、海外からの視察受け入れにも積極的に対応する。バングラデシュでの解体業の最先端企業として、今後も事業を拡大していきたい。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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