アフリカ・スタートアップへの投資が大幅増

(アフリカ)

中東アフリカ課

2019年04月19日

アフリカのスタートアップ企業がベンチャーキャピタルから調達した資金の総額は、2018年に前年比3.5倍の7億2,560万ドルに上ったことが、メディア会社ウィー・トラッカーの調べで分かった(表参照、注)。案件ベースでは、前年の201件から458件へ2.3倍に増えた。

表 アフリカ・スタートアップの資金調達額と案件数の推移

資金調達額の上位5企業をみると、中古車売買EC(電子商取引)サイトを運営するウィ・バイ・カーズ(南アフリカ共和国、調達額9,400万ドル)やモバイル決済システム会社のジュモ(南ア、6,750万ドル)のほか、オフグリッド太陽光パネルの割賦販売を手掛けるディ・ライト(ケニア、6,600万ドル)とゾーラ・エレクトリック(タンザニア、5,500万ドル)の2社、デジタル決済システム会社セルラント(ケニア、4,750万ドル)となっている。

分野別では案件数ベースで、フィンテック(93件)、ヘルスケア(43件)、教育テック(42件)、農業(38件)、再生可能エネルギーなどのクリーンテック(36件)などのほか、ビジネスインテリジェンス(BI)システム、サービス型ソフトウエア(SaaS)、物流・運輸などに投資を分散させる傾向もみられた。

ウィー・トラッカーは報告書の中で、「2018年に大型の資金調達が相次いだことは、アフリカのエコシステムが成熟に向かって顕著に飛躍していることを物語っている。上位10案件で4億5,700万ドルとなり、全体の資金調達額の61%を占めた」と分析した。

なお、ジェトロはアフリカのスタートアップ企業と日本企業との連携促進を目的に、調査レポート「アフリカ・スタートアップ100社」(2019年2月)をウェブサイトで公開している。

(注)南アフリカ共和国のメディア会社。同社出版の2018年次報告書「Decoding Venture Investments in Africa」(1月4日発行)による。

(高崎早和香)

(アフリカ)

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