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中・東欧全域で経済減速の予測

(中・東欧)

ウィーン発

2019年04月08日

ウィーン比較経済研究所(WIIW)は3月27日、西バルカンを含む中・東欧諸国の2019~2021年の中期経済予測を発表した。全域の経済成長はプラスだが、今回の景気循環のピークとみられる2017~2018年より成長率は明らかに鈍化し、前回の予測(2018年11月)より、全ての予測値が下方修正された。中・東欧のEU加盟11カ国の成長率は、2018年の平均4.3%から2021年には2.9%に下がる見通し。ハンガリーは2019年以降のEU補助金の減少のため、経済の減速が特に著しい(4.9%→1.9%)。西バルカン諸国は平均3.8%から3.0%に下がる。その中で、アルバニア(4.1%→3.4%)とコソボ(3.9%→3.9%)は相対的に高い成長を維持する(添付資料参照)。

人手不足が深刻化

成長の減速の主な理由として、トランプ政権下の米国の保護貿易主義、英国のEU離脱(ブレグジット)の影響、ドイツをはじめとするユーロ圏の経済低迷や中国経済の減速が挙げられる。特に影響を受けるのは、輸出依存度の高いスロバキア、ハンガリー、スロベニア、チェコの4カ国とみられる。チェコなどでの深刻な人手不足は賃金の上昇をもたらし、競争力をそいでいる。EU加盟11カ国の失業率は、2018年の平均4.4%から2021年に平均4.0%まで下がり、ユーロ圏(7.6%)を大幅に下回る見通し。

ブレグジットによって、英国にいる中・東欧からの出稼ぎ労働者の多くは母国に帰るより、ドイツ、オーストリアなどの他のEU加盟国へ移動する可能性が高いので、ブレグジットは中・東欧の人手不足を緩和する効果はないとみられる。

中長期的な発展を阻害する主な課題として、大幅な人口減少、一部の国のポピュリスト政権による強権的政治、経済のデジタル化への対応不備、教育水準〔特に情報通信技術(ICT)能力〕の低さ、製造業における自動化の遅れが挙げられる。その対策としてWIIWは、製造工程の迅速な自動化と、教育と職業訓練に対する政府支出の拡大を提言しているほか、一部の強権的な政治が行われている国では、EUがより関与してEU基準による行政の維持の必要性を挙げている。

(エッカート・デアシュミット)

(中・東欧)

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