2月の小売売上高は前月比0.2%減、1月の反動増の後に再び減少

(米国)

ニューヨーク発

2019年04月09日

米国商務省の速報(4月1日付)によると、2月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.2%減の5,060億ドルとなった。変動の大きい自動車・同部品を除くと、0.4%減の4,030億ドルだった。なお、1月の売上高は0.2%増(速報値)から0.7%増に上方修正された。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミストのサル・グアティエリ氏は「政府機関の一部閉鎖が終了したにもかかわらず、1月の反動で消費が拡大しなかったことは残念だが、(米北東部と中西部を襲った)猛吹雪や所得税の還付金給付の遅れなど、幾つかの特殊要因が(重なって)消費支出が抑えられた可能性がある」と指摘した(「ニューヨーク・タイムズ」紙4月1日)。

建材・園芸用品が最大の押し下げ要因

業種別にみると、建材・園芸用品が前月比4.4%減の330億ドルと、2012年4月(4.8%減)以来の大幅な減少となり、全体を最も押し下げた(表参照)。次いで、食品・飲料が1.2%減の625億ドル、総合小売りが0.3%減の597億ドルだった。

一方で、自動車・同部品が前月比0.7%増の1,030億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、無店舗小売り(0.9%増、598億ドル)などが押し上げ要因となった。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

民間調査会社コンファレンスボードが2月26日に発表した2月の消費者信頼感指数は131.4と、1月(121.7)より9.7ポイント上昇した。内訳をみると、現況指数は172.8(1月:170.2)と2.6ポイント上昇し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は103.8(1月:89.4)と14.4ポイント上昇した。

コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は、現況指数の改善は「消費者が依然として、景況と労働市場の状態がいずれも良好だとみていることを示す」と述べた。期待指数については、「金融市場のボラティリティー(の高まり)と政府機関の一部閉鎖によって、ここ数カ月間は悪影響を受けていたが、2月には回復した」とした。一方で、「消費者は景気が拡大し続けると予想」しているものの、「コンファレンスボードの経済見通しによると、2019年の拡大ペースは(2018年より)緩やかになると予想されている」と指摘した。

(樫葉さくら)

(米国)

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