チリ産業開発公社とSQM、リチウム開発の入札開始

(チリ)

サンティアゴ発

2019年04月22日

チリ産業開発公社(CORFO)およびSQM(Sociedad Química y Minera de Chile)の主催で3月25日、リチウム開発に関する入札説明会が開催された。SQMは、チリの化学大手でもあり、リチウム生産大手としても知られている。プロクリカ鉱業相の冒頭あいさつ後、SQM、CORFOによるプロジェクトの説明が行われ、最後に入札スケジュールが発表された。

今回の入札は、SQMのリチウムに付加価値を付けた製品をチリで製造することが条件で、落札企業はSQMから一定割合のリチウム購入において2030年まで特別価格(20%引き)で購入できる内容となっている。購入枠は15~25%で、その年の生産量によって変動する。25%の場合、世界のリチウム生産量の10%に相当すると説明された。

チリは世界トップクラスのリチウム生産国で、米国地質調査所(USGS)の発表資料によれば、2017年のチリにおけるリチウム生産量はオーストラリアに次ぐ世界2位の1万4,000トン、埋蔵量は世界最大の750万トンとなっている。

プロクリカ鉱業相は「チリの貧困率が大きく低下したのは鉱業が発達したためで、今回の入札によって海外企業の技術導入によるさらなる発展、リチウム採掘により北部アントファガスタ地域の開発が進む」と、入札に期待を寄せた。

3月25日の説明会で発表されたスケジュールは以下のとおり。

  • 詳細:4月5日からCORFOウェブサイトで発表
  • 国際ロードショー:5、6月
  • アントファガスタ視察ツアー:7月
  • 入札締め切り:11月4日
  • 落札結果発表:2020年1月15日

(中山泰弘)

(チリ)

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