インド準備銀、政策金利を2会合連続で引き下げ

(インド)

ムンバイ発

2019年04月11日

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は4月4日、金融政策決定会合を開催し、政策金利(レポレート)を0.25ポイント引き下げ6.00%にすると決定した。前回の会合から2会合連続の引き下げとなった。金融政策のスタンスについては、「緩和」でも「引き締め」でもなく、引き続き「中立」を維持した。

2会合連続の引き下げに至った主な背景として、消費者物価指数の上昇率が2019年初から低水準で推移し、今後もその傾向が維持されるという見通しが強まったことがある。また、RBIは「国内経済は逆風にさらされており、停滞気味にある民間投資を増やすことで国内経済への刺激を強めることが必要」との認識を示した。RBIによる2019年度のGDP成長率の予測値は7.4%から7.2%に下方修正された。

今回の金利引き下げの決定に際しては、6人の委員のうち、シャクティカンタ・ダス総裁を含む4人が引き下げに賛成し、残りの2人は据え置きを主張した。ダス総裁はさらなる利下げの余地についても言及している。

決定に対し、翌5日付の地元紙の反応はおおむね「想定どおり」というスタンスだった。一方、あるアナリストは2月の政策金利引き下げ(0.25ポイント)時、銀行の貸出金利は0.05~0.10ポイントほどしか低下しなかった点を指摘し、今回の引き下げについても、不良債権処理の停滞などを背景に、「市中貸出金利への影響は限定的となるのではないか」との見解を述べている(「ライブ・ミント」4月4日)。

(比佐建二郎)

(インド)

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