バビシュ首相、安倍首相に対日輸出拡大や直行便就航に向けた協力を要請

(チェコ)

プラハ発

2019年04月26日

チェコのアンドレイ・バビシュ首相は4月25日、スロバキアの首都ブラチスラバで開催されたV4(ビシェグラード4カ国:ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア)・日本首脳会議の後、安倍晋三首相と会談し、日本とチェコとのさらなる経済協力発展の可能性について議論した。

両首相の会談は、2018年10月にブリュッセルで開催されたアジア欧州会議の場以来、2度目となる。

会談後の記者会見で、バビシュ首相は「チェコインベスト(チェコ投資・ビジネス開発庁)によると、日本はチェコへの第2の投資国で、これは評価に値する」と強調した。一方で、対日貿易が大幅な赤字であることにも言及し、安倍首相に対して状況改善に向けての協力を求めた。同首相は「チェコは新たな輸出先を求めている。日本はチェコにとって非常に重要な市場で、多大なポテンシャルを持つ」と述べた。

2018年の対日輸出は7億7,378万ユーロ、輸入は26億5,723万ユーロで、赤字額18億8,345万ユーロは対中国、韓国に次いで3番目に多かった。輸出入とも、主要品目は機械や金属などとなっている(表参照)。

表 2018年チェコの対日貿易

両首相は、チェコが2019年7月にV4議長国となることに関連して、チェコ議長国任期におけるV4・日本間の協力関係の継続についても確認した。

また、2020年1月12日にチェコ・日本国交樹立100周年を迎えることから、バビシュ首相はこの機会に安倍首相をチェコに招待したいとの意向を伝えた。さらに、両国間の直行便の就航実現に向けて協力を求めた。

プラハ~東京間の直行便就航に関しては、2017年6月、当時のソボトカ首相訪日の際に焦点の1つとして注目された。その際チェコ側は、両国間で航空協定締結に向けた交渉が開始されたことを高く評価している(2017年7月20日記事参照)。

バビシュ首相は「直行便就航の2020年の実現も可能と聞いている。安倍首相に対しては2020年には是非、直行便でチェコに訪問いただけるよう、その早期実現に向けて支援をお願いした」と述べた。

(中川圭子)

(チェコ)

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