公的機関主導のアクセラレーションが始動
(ブラジル)
サンパウロ発
2019年04月19日
ブラジル経済省のプレスリリース(4月16日付)によると、同省とブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)によるアクセラレーションプログラム「イノバチバ・ブラジル(InovAtiva Brasil)」(注)の支援対象として、国内5つの地域からスタートアップ105社が選定された。
このプログラムは4月22日から、オンラインを通じた個別および集合型のメンタープログラム、キャパシティービルディング、メンターや専門家との議論の機会を提供し、支援対象企業は7月22日にサンパウロで開催される「Demoday InovAtiva」で投資家に向けたピッチイベントを目指す。プログラム参加企業はGoogle、Amazon Web Services、Salseforceなどの特典を得るほか、プログラム終了後にもこれらの企業から戦略的パートナーとしてサポートを受けられる権利が与えられるという。
選定された企業の構成は、創業3年以上が52%、月間売り上げが3万レアル(約86万円、1レアル=約28.5円)以下が58%、BtoBを主体とする企業が67%、SaaSを利用して活動する企業が51%、既に大企業と取引のある企業は59%となっている。分野別に見ると、最も多かったのはサービス13社(12.4%)、次いで教育11社(10.5%)、医療・健康10社(9.5%)で、社会課題に関連した分野が目立った。
イノバチバ・ブラジルは2013年から実施されており、さまざまな政府関係機関やアクセラレーターを巻き込み、官民による国内のエコシステム強化に取り組むことで、ブラジルの多様な地域・分野での革新的なビジネスを促進する狙いがある。これまでに2,000社以上がプログラムへ参加、うち840社が投資家に自社を売り込める段階に至った。今回はプログラムの中でも多くのビジネスが生まれるよう、スタートアップと大企業のネットワーキングを増やすという。
(注)2015年から、サンタカタリーナ州政府によって設立されたイノベーションテクノロジーセンター(CERTI)が運営を担っている。
(古木勇生)
(ブラジル)
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