税関総局、一部品目の輸出関税率の引き上げを提案

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年04月26日

ベトナム税関総局は、一部品目に課されている輸出関税率の引き上げを財務省に提案した(オンライン「税関ニュース」4月13日)。輸出入税法(107/2016/QH13)の第10条5項には、「輸出関税率は完成品から原材料へと段階的に高くする」と規定されている。今回、税関総局が引き上げを提案している品目は、税率が5%のアルミニウム地金などの原材料である「水酸化アルミニウム(HSコード2818.30)」と「酸化アルミニウム(2818.20)」で、これまで2%の輸出関税が適用されていた。提案を受けた財務省は輸出入税法にのっとり、これら2品目の税率を5%へ引き上げることを政府に提案する予定だ。

また、同報道によると、外資系企業、とりわけ中国系企業が電気・電子製品に使用される銅を買い求めて自国へ輸出しているため、ベトナム国内生産向けの銅が流出しているという。現在の銅関連の輸出関税率は、原材料に近い銅鉱(HSコード2603)などは40%だが、加工され完成品に近づくにつれ税率が低くなり、銅マット(7401)は15~20%、銅棒(7407)は5%、さらに、銅製の管(7411)、銅製の管用継手(7412)は無税となる。このため、低い輸出関税率の適用を受けようと、単純加工・低コストで製造できる銅棒などの銅製品に銅原材料を加工して輸出するという状況が起きている。

こうした事態を受け、複数の国内企業が銅製品の輸出関税率を見直すよう要望している。財務省も銅製の管および管用継手の税率を無税から5%に引き上げ、銅原材料との税率差を少なくするよう、政府に提案する予定だ。

(小林亜紀)

(ベトナム)

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