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アルストム、「一帯一路」背景にカザフスタンでの機関車組み立て能力を拡大

(カザフスタン、フランス、米国)

欧州ロシアCIS課

2019年04月30日

フランスの重電大手アルストムのアンリ・プパール=ラファルジュ最高経営責任者(CEO)は4月24日、カザフスタンの首都ヌルスルタンで、前大統領のヌルスルタン・ナザルバエフ氏と会談した。

ナザルバエフ氏は中国の「一帯一路」イニシアチブを背景に、カザフスタンでのトランジット輸送の強化のため、インフラ整備の重要性を強調。一方、プパール=ラファルジュ氏はカザフスタンのアルストム(合弁)工場で組み立てる機関車数が増加し、最近ではアゼルバイジャン向けに輸出を開始したことを報告したほか、それに合わせて、工場機関車の組み立て能力を年100台まで引き上げること、人員を現在の500人から700人まで増やす予定であることを発表した。

アルストムは中央アジア・コーカサス地域では唯一、カザフスタンに工場を2カ所所有する。ヌルスルタンでは、アルストムとロシアの鉄道車両製造大手トランスマシホールディングとの合弁企業「EKZ」(注)が電気機関車の組み立てとメンテナンス業務を実施。カザフスタン最大の都市アルマトイでは、アルストムとカザフスタン鉄道子会社との合弁企業「KEP」が鉄道分岐器製造を行っている。主たる顧客はカザフスタン鉄道だが、製品はウズベキスタンなど周辺地域にも輸出され、最近では、カザフスタンと同様に中国の「一帯一路」イニシアチブを受け、中国と欧州を結ぶトランジット輸送貨物を取り込もうとするアゼルバイジャン(鉄道)も大口顧客となっている。2018年12月上旬にはアゼルバイジャンが積極的に推進するバクー・トビリシ・カルス(BTK)鉄道向けの貨物輸送用機関車の輸出がEKZから開始されている(2019年3月1日記事参照)。

アルストムは2010年にトランスマシと共同でカザフスタン市場に参入、継続して投資を拡大している。2016年2月にはカザフスタン鉄道が持つEKZ株式の25%を取得、持ち分を50%に増やし経営の主導権を獲得した。2017年12月にはカザフスタン鉄道の残りの25%株式の取得で合意し、自社分を75%まで増やしている(残りの25%はトランスマシが保有)。製造面でも、2018年10月に電気機関車搭載用の主変圧器の組み立てをEKZで新たに開始している(生産能力は年間300台)。

一方、アルストムの競争相手とも言える米国の重電大手ゼネラル・エレクトリック(GE)も、カザフスタンでの事業に積極的に取り組み始めている。同社子会社「GEトランスポーテーション」は2017年4月、カザフスタン鉄道から「機関車組み立て工場」(LKZ、2009年設立)の株式の50%を取得。2018年1月には300台の入れ換え機関車の受注、乗客輸送用機関車175台の18年間の保守管理サービス契約を9億ドルで契約したことを発表している。アルストム、GEともに、カザフスタン鉄道と共同して中央アジア・コーカサスでの鉄道輸送需要増に対応する。

(注)EKZは電気機関車組み立て工場、KEPは「カザフスタン電気駆動の意。

(高橋淳)

(カザフスタン、フランス、米国)

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