東部ラヨーン県でイノベーション特区(EECi)の建設進む

(タイ)

バンコク発

2019年04月01日

タイ政府が推進している東部経済回廊(Eastern Economic Corridor)の一環として、「EECi」と呼ばれるイノベーション特区の第1フェーズが2月27日に着工された。現在は広大な敷地が広がっている状況だが、2021年の完成を目指している(3月21日時点)。

EECiが建設されるのはタイ東部ラヨーン県のワンチャンバレーで、総工費は45億バーツ(約157億5,000万円、1バーツ=約3.5円)。まず、開発拠点となる「ARIポリス」という人工知能・ロボット工学、産業の自動化研究開発拠点と「バイオポリス」と呼ぶ生命科学、バイオテクノロジー開発拠点の2つのインフラ整備を行う。ワンチャンバレー一帯は、国営企業であるPTTが約3,000ライ(1ライ=1,600平方メートル)の土地を保有し、PTTが支援する大学院大学のVISTECなどもある。開発が完了すれば、産官学の研究施設が集積し、タイを代表する一大イノベーション拠点になることが期待されている。研究施設のほかにも、外国人研究者が居住できるコンドミニアムの整備やインターナショナルスクール、ショッピングセンターの誘致など、居住地としての開発も併せて行っていく見込みだ。EECiに研究拠点を設ける企業に対しては、最大13年にわたる法人税免除や一律17%の個人所得税率の適用といった税制面の恩典のほか、R&Dインフラやレギュラトリー・サンドボックスの活用など、研究実施上の各種恩典も用意されている。

写真 EECi建設現場(ジェトロ撮影)

EECi建設現場(ジェトロ撮影)

写真 整地された広大な敷地でダンプカーなど工事車両が見られた(ジェトロ撮影)

整地された広大な敷地でダンプカーなど工事車両が見られた(ジェトロ撮影)

(阿部桂三)

(タイ)

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