上海市の法定最低賃金、4月1日から2.5%引き上げ

(中国)

上海発

2019年04月01日

上海市人力資源・社会保障局は3月25日、新たな法定最低賃金を4月1日から適用すると発表した。全日制就業労働者(正社員)の月給は、これまでの2,420元(約3万8,720円、1元=約16円)から60元増(2.5%引き上げ)の2,480元となる。上海市の最低賃金は引き続き中国31省・自治区・直轄市で最高額だ。

上海市は1993年に最低賃金制度を導入して以来、ほぼ毎年引き上げているが、今回の上昇率は過去最低だった。引き上げ額も2014~2015年の200元を最高に、2016年170元、2017年110元、2018年120元と低下傾向にある(表参照)。

表 上海市の法定最低賃金基準

月額基準の調整に伴い、労働時間が1日4時間、週24時間以内の非全日制労働者(パート)の最低時給賃金も21元から22元に引き上げられた。

上海市の法定最低賃金には、社会保険(養老保険、医療保険、失業保険)と住宅積立金の個人負担分は含まれていないため、企業は別途支払う必要がある(注)。残業や交通、食事、住宅、夜勤、高温、危険作業の特殊手当などの各種手当も最低賃金は含まれず、企業が別途支払わなければならない。

(注)個人負担分を企業が捻出するのは北京市や上海市など一部の地域。

(劉元森)

(中国)

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