ブーテフリカ大統領、辞任を表明

(アルジェリア)

パリ発

2019年04月04日

アルジェリアのアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領は4月2日、国営アルジェリア通信(APS)の声明を通して、任期満了となる4月28日を待たず辞任を表明し、約20年にわたる長期政権が終幕を迎えた。

ブーテフリカ大統領は4月18日に予定されていた大統領選挙への立候補を3月11日に撤回し、内閣改造、首相交代を実施した(2019年3月13日記事参照)。3月31日にも大幅な内閣改造を行い、外相、内務相、財務相、エネルギー相などの要職に新任の21人を任命した。一方、大統領選挙投票日の延期に伴う、事実上のブーテフリカ大統領の任期延長に対し、現体制の変革を求める数十万人の大規模な抗議デモが、首都アルジェをはじめ国内各地で相次いで発生していた。

国民の不満を受けて、ブーテフリカ大統領は4月1日、APSの声明を通して、4期目の任期満了となる4月28日までに辞任すると発表するとともに、権力の移行期間中に国家機関の機能の継続性を保証するため、重要な措置を取るとした。これに対し、軍要職にあるアフメド・ガイド・サラ国防副大臣兼参謀総長は4月2日、ブーテフリカ大統領の健康状態を考慮すると大統領職務の遂行は不可能と判断し、憲法102条を適用して大統領免職の手続きを直ちに開始する旨を表明した。これが、大統領本人による辞任を加速させたとみられている。

憲法により、上院である国民評議会のアブデルカデル・ベンサラ議長が、大統領辞任後、最長90日間、臨時大統領の職を務め、同期間中に大統領選挙を行うことになる。しかし、同氏は2002年から国民評議会議長を務めており、現体制の象徴的な存在であるため、この措置によって、国民の与党への根強い不満が収まる可能性は低いとみられる。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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