4月予定の大統領選を延期、現職は5期目の立候補を断念

(アルジェリア)

パリ発

2019年03月13日

アルジェリアのアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領は3月11日、国営アルジェリア通信(APS)を通じて声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、4月18日に予定していた次期大統領選挙を延期し、健康と年齢を理由に大統領選への立候補を見送ることを明らかにした。

1999年に就任したブーテフリカ大統領は、2013年に脳卒中を患ってから、公の場にほとんど姿を見せていない。今回の発表の前日までスイスの病院で定期検査を受けていた。2月半ばに5期目を目指すと発表して以来、アルジェ、オラン、コンスタンティーンなど複数の主要都市で大規模な抗議デモが発生していた。

大統領選の新たな日程は不明だが、同大統領は選挙までに国民議会で新憲法案を制定し、国民投票で議決した上で行う意向を示した。また、内閣改造も行う予定で、政府の公式発表直後、アフメド・ウーヤヒア首相が辞任し、ヌレディン・ベドゥイ前内相が後任となることが発表された(エナハールTV)。

大統領選後の経済改革の進展が期待されていたが、投票が延期されたことで、当面は現在の経済政策に変化はないとみられる。発表から一夜明けた12日にも数千人規模のデモが行われたとの報道(ロイター通信)もあり、国民の不満がブーテフリカ大統領の立候補断念の表明でも収まる可能性は低いと予想される。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

ビジネス短信 6180ff46c8675d02