改正労働者保護法が4月5日付で官報掲載、30日後から施行

(タイ)

バンコク発

2019年04月19日

タイの改正労働者保護法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが4月5日付で官報に掲載された。掲載30日後に施行される。特に注目される改正ポイントは以下のとおり。企業は、自社の就業規則などがこれらの改正内容に合致しているか否かの確認が必要となる。

  • 会社の合併に伴う雇用主の変更(雇用関係の承継)について、従業員の同意が必要となる(13条)。
  • 用事休暇の取得(34条):従業員は、必要な個人的用事のため、有給休暇を年間3日以上取得することが可能となる。「用事」の定義について、在タイの日系法律事務所は「改正内容に記載されていないため、雇用主が適宜定義を設定可能ではないか」と説明する。
  • 産休に関する改正(41条):従業員が取得可能な産休が98日(うち有給45日)となる。改正前は産休が90日、そのうち有給が45日だった。産前検診についても産休を利用することが可能となる。
  • 解雇補償金の改定(118条):20年以上勤務した従業員に対して、最終賃金の400日分に相当する解雇補償金を付与する。改正前は、300日分が最大だった。
  • 事業所移転時の特別解雇補償金に関する改正(120条):雇用主が事業所を移転する際、変更の30日前までに、従業員に通知・公表することが必要となる。従業員は、事業所移転が本人や家族の生活に重大な影響を与えると考える場合、通知から30日以内に雇用主に申し出ることで、退職が可能となる。その場合、雇用主は、当該従業員への解雇補償金の支払いが必要となる。雇用主が事前通知を行わない場合、通知期間分に相当する給与の支給が必要となる。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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