使い捨てプラスチック製品の禁止を一部延期

(フランス)

パリ発

2019年04月26日

フランス政府は、2020年1月1日から導入するとしていた使い捨てプラスチック製品の禁止措置のうち、ストロー、ナイフ・フォークなどのカトラリーなど一部の製品について1年の延期を決めた。これらは2021年1月1日から使用禁止となる。

延期の対象となる製品は、ストロー、ステーキ用ピック、コップ用ふた、プラスチックのフィルムが付いた皿、ナイフ・フォークなどのカトラリー、マドラー、(ファストフードなどで使用される)発泡ポリスチレンの容器、発泡ポリスチレンのボトル、(業務用を除く)風船用スティックだ。コップ、グラス、皿については、予定どおり2020年1月1日から禁止とするが、3月27日に欧州議会(本会議)で採択された、使い捨てプラスチック製品の流通を禁止するEU指令案に即して、禁止の対象外となる「家庭用のコンポストで堆肥化が可能なバイオマスの含む製品」に「発泡ポリスチレン製のものを除く」と追加した。

フランスでは、2015年に制定されたエネルギー転換法により、使い捨てのプラスチック製コップ、グラス、皿について2020年1月1日から使用禁止となることが決定している。さらに「農業・食品業における商取引のバランス、健康で持続可能、全ての人にアクセス可能な食品のための法律(通称:食品法、2018年11月2日施行)」により、禁止対象となるプラスチックの製品が拡大されていた(2018年10月11日記事参照)。

その後、食品法で定めた使い捨てプラスチック製品の使用禁止対象範囲を見直すメカニズムを盛り込むべく、「企業の成長・変革のための行動計画に関する法律(通称:PACTE法)」の法案審議が進められていた。同法案の審議過程で、野党・共和党のエリザベット・ラミュール上院議員が「プラスチック業界は中小企業が多く、施行までの時間が短過ぎて対応できない」「EU市場での販売を考慮し、EU指令案が想定するスケジュールに合わせるべき」として、PACTE法案の修正案を提出。4月11日に法案が可決し、今回の延期決定と対象品目の修正に至った。

(奥山直子)

(フランス)

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