与党「リクード」が総選挙で36議席獲得、第1党に

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年04月17日

イスラエル中央選挙委員会は4月15日、第21回イスラエル議会選挙(投票日:4月9日)の開票状況を発表した。得票数に応じた議席配分をみると、ネタニヤフ首相率いる与党「リクード」が36議席を得て第1党に、ガンツ元軍参謀総長とラピド元財務相の政党が組む「青と白」連合は35議席となる。

投票日の翌日には両党の接戦が伝えられる中(2019年4月11日記事参照)、引き続き開票作業が進められた。4月15日午前11時9分時点の中央選挙委員会の発表によると、投票総数は434万148票、有効投票数は430万9,160票で、投票率68.46%だった(2015年総選挙:72.34%)。

得票数と得票率は以下のとおり。

  • リクード:114万283票(26.45%)
  • 「青と白」連合:112万5,820票(26.13%)

4月10日時点での獲得見込み議席数からの変化としては、「リクード」が1増の36議席、「ユダヤ・トーラー連合」は1減の7議席となる。4月15日午前の時点で、中央選挙委員会は正式な最終結果を発表していない。

リブリン大統領は4月15日、議席を獲得した政党の党首と面談し、連立政権に関する聴取を開始した。これに続き、面談結果を踏まえて、大統領が組閣担当者を指名する。120議席の過半数をどのように維持するのか、組閣担当者が連立協議を行う。大統領による組閣指示から、42日間(28日間+延長14日間)の期限があるため、協議が長引く場合には、新政権の発足は5月下旬になる可能性がある。現時点では、右派連合によるネタニヤフ政権続投の見込みが高い。

他方、トランプ米国大統領が近く提示するといわれている中東和平案を受け入れるには、「リクード」と「青と白」連合が大連立を組み、極右政党を含まないかたちで安定した政権基盤をつくる必要性を指摘する見方もある。

2015年3月に実施された前回の総選挙では、「リクード」が30議席を得て第1党となり、右派および宗教政党から成る連立政権として、第4次ネタニヤフ政権が同年5月に発足した。

(余田知弘)

(イスラエル)

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