AGC、ロシアの自動車向けガラス製造ラインを刷新へ
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年04月09日
世界ガラス製造大手AGCの子会社「AGCグラス・ロシア」は4月8日、ロシア・ニジェゴロド州(沿ボルガ地域)ボルに所有するガラス工場(AGCボーグラスワークス)のフロートガラス第1製造ラインの冷修(設備更新)作業を開始したと発表した。
同工場は、旧ソ連時代から続くロシア最大級のガラス製造工場で、フロートガラス・建築用ガラス・鏡・自動車用加工ガラスなどを主製品とし、在ロシアの自動車組み立て企業が主な納入先となっている。1997年から、AGCが欧州子会社を経由して保有している。プレスリリースによると、今回の大規模な刷新は自動車産業からの品質要求に応えることが目的で、第1ラインの設備更新は2020年に終了する予定。更新後は製品販売地域の拡大、エネルギー使用効率の向上、追加雇用の創出などが期待されるとしている。AGC常務執行役員(ビルディング・産業ガラスカンパニー・プレジデント)のジャン=フランソワ・エリス氏は「新しく更新された生産ラインは、AGCグループ全体の発展にとって大きな一歩」と期待を寄せている。
今回の設備更新に関する投資額は明らかにされていない。2018年3月の現地報道で、AGCボル・ガラス工場のセルゲイ・クニャゼフ社長のコメントとして、同工場にはAGC傘下に入って以来、既に2億5,000万~3億ドルの投資が行われており、2018年にも650万ユーロを投じ、自動車用ガラスの切断加工ラインの設備更新を行う、と報じられていた(情報ポータルサイト「NTA-沿ボルガ」2018年3月13日)。
同社の売上高と純利益は増加を続けている。2019年4月1日に発表された決算によると、2018年の売上高は前年比15.6%増の96億5,000万ルーブル(約164億500万円、1ルーブル=約1.7円)、純利益は32.6%増の18億3,000万ルーブルで、ともに過去最高を記録したとみられる。なお、AGCはロシアでボル・ガラス工場のほか、モスクワ州クリンにもフロートガラス生産工場を有している。
ボル・ガラス工場(ジェトロ撮影)
(高橋淳)
(ロシア)
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