2018年の製造業外国投資認可額、過去最高の580億リンギ

(マレーシア)

クアラルンプール発

2019年04月04日

マレーシア投資開発庁(MIDA)は3月14日、2018年の製造業の外国投資認可額は前年比2.7倍の580億2,211万リンギ(約1兆5,666億円、1リンギ=約27円)と発表した。業種別では石油・石油化学、国・地域別では中国が首位だった。

首位は石油・石油化学

業種別では、石油・石油化学が190億8,448万リンギで、前年比56.1倍と急増し、全体の32.9%を占めた(表1参照)。MIDAによると、ジョホール州ペンゲランでの石油コンプレックス開発への投資のほか、サラワク州政府が所有する石油化学会社サラワク・ペトケムによるビントルでの約57億リンギの石油化学投資案件が大きく寄与した。次いで、電気・電子製品が107億1,259万リンギ(構成比18.5%)、卑金属製品が84億7,631万リンギ(14.6%)、紙・印刷・出版が49億8,724万リンギ(8.6%)、化学・同製品が44億3,607万リンギ(7.6%)と続いた。上半期(2018年1~6月)で振るわなかった電気・電子製品は下半期に大幅に伸びた。

表1 製造業の業種別外国投資認可額(上位5位)

国・地域別では、中国が前年比5.1倍の196億7,330万リンギ(案件数は40件)と3年連続で首位だった(表2参照)。次いで、インドネシアが前年の50万リンギ(1件)から90億3,556万リンギ(8件)に急騰した。以下、オランダが83億3,692万リンギ(10件)、日本が41億3,325万リンギ(63件)、米国が31億5,498万リンギ(18件)の順だった。

表2 製造業の国・地域別投資認可額(上位5位)

日本からの投資が多様化

日本からの製造業投資認可額は前年比3.2倍となった。業種別では、石油・石油化学が16億9,274万リンギと構成比で41.0%を占めて最大だった(表3参照)。次いで、ゴム製品が7億80万リンギ(17.0%)、プラスチック製品が3億7,418万リンギ(9.1%)と続いた。主な投資案件では、第一精工がジョホール州に自動車用センサーの製造工場を、日本ライフラインがペナン州に医療用カテーテルの製造工場を設立した。

表3 2018年の日本からの製造業の業種別投資認可額

第11次マレーシア計画の「Industry4WRD」という国家政策(2018年11月26日記事参照)では、化学、電気・電子、機械・部品、航空機器、医療機器を重点分野に掲げている。マハティール首相は3月19日、「重点分野に関連する高付加価値かつ高技術の製造業投資案件の誘致を継続し、バリューチェーン向上を目指す」と強調した(ベルナマ通信3月19日)。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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