ハバロフスクに第2の製油所建設計画が浮上
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年03月28日
ハバロフスクに製油所(注)を持つネフテガスホールディングはハバロフスク市近郊に第2の製油所を建設する計画を進めている。ハバロフスク地方政府のビクトル・カラシニコフ経済相が3月15日、地元紙に語った。
カラシニコフ氏によると、第2製油所の石油製品生産能力は年500万トンを予定。3月27日のPBKの報道によると、生産能力は1,000万トンまで拡張が可能で、接触分解や水素脱硫化、コークス化装置などの2次処理設備の導入が予定されている。ロシア極東地域で不足するガソリンの需要を満たすことが目的。製油所の建設コストは最大で2,000億ルーブル(約3,400億円、1ルーブル=約1.7円)とも算定され、ネフテガスホールディングは中国や日本などアジア太平洋地域からの投資資金を期待しているとされる。
ロシアでは、ガソリン生産コストの上昇による石油会社の不採算性(海外輸出の方が採算が良いこと)に加え(図参照)、ロシア極東地域のガソリン価格は輸送コストが価格に転嫁されることで全ロシア平均よりも高くなり、伝統的に住民の不満要因となっている。過去さまざまな対策がとられているが、解決には至っていない。連邦政府は3月15日、ガソリン、ディーゼル燃料、航空機燃料のロシア極東向けの鉄道輸送料金を引き下げる提案を発表した。3月26日には、連邦政府と大手石油会社との間で2018年11月から実施されているガソリン、ディーゼル燃料を前年比増(現在は3%増)の量で大手石油会社が市場へ供給する合意について、2019年第2四半期(4~6月)まで延長することになったが、専門家は「問題の抜本的解決にはつながらない」との見方を示している(「ガゼータ・ル」3月26日)。
(注)ネフテガスホールディングの子会社アリヤンスのウェブページによると、既存の第1製油所の石油製品生産能力は年500万トン。2007年にはスペイン企業テクニカス・レウニダスとの間で、水素化脱硫装置導入に関する8億ドルの契約を締結している。
(高橋淳)
(ロシア)
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