ウラジオストク市議会、新市長を選出

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年03月29日

ウラジオストク市議会は3月28日、これまで市長代行を務めていたオレグ・グメニュク氏を新市長として選出した。グメニュク氏は「代行ポストの期間に、(同市が抱える)問題の大部分を把握し、解決すべき方法が分かった」と述べた。同氏は、市の道路インフラ、公共交通機関、駐車場、都市計画の整備、託児所整備、学校の修繕、子供向け公園の創設、沿岸部の補修などを公約に掲げ、特に道路改修については「前例のない規模で取り組む」と強調した。さらに、沿海地方、ウラジオストク市からの人口流出に歯止めをかけるとした。

ウラジオストク市長の選出方法は、2015年に直接選挙制から市議会による選考形式に変更されている。今回の選考は2019年1月19日に発表され、2月11日に届け出を締め切った。起業家、芸術家、政治家、弁護士、エンジニア、脳外科医、研究者ら51人が申請し、選考を通過し面接に至ったのは39人。面接を経て、最終選考に残ったのはグメニュク氏のほか、市議会議員のキリル・グリコエフ氏、主要な労働組合の「全ロシア電気労働組合」委員長のアレクサンドル・ユルタエフ氏の計3人だった。最終選考にはウラジオストク市議会議員28人が参加し、グメニュク氏に対しては、賛成23票、反対5票だった。他の候補者のグリコエフ氏に対して28人全員が反対し、アレクサンドル・ユルタエフ氏には27人が反対した。新市長の就任式は4月5日に実施される予定。

グメニュク氏は1967年生まれ。ウラジオストク出身で、ウラジオストク市政府体育・スポーツ局長、同市副市長、アムール州政府体育・スポーツ局長、同州政府体育・スポーツ相、同州政府副議長、沿海地方経済局長などを歴任。2018年12月から、ウラジオストク市長代行兼第1副市長を務めていた。沿海地方知事のコジェミャコ氏とは、同氏がアムール州知事時代に部下として働いた経験がある。

ウラジオストク市長ポストは、2018年10月にビタリー・ベレケエンコ前市長が突然の辞任を発表してから、空席が続いていた(2018年10月4日記事参照)。

(齋藤寛)

(ロシア)

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