2019年のハノーバーメッセは「産業知能」に焦点
(ドイツ)
ベルリン発
2019年03月22日
2019年のハノーバーメッセ(4月1~5日開催)の見どころが3月13日、ドイツの首都ベルリンで公表された。
ドイツのデジタル化を推進するための「産業知能(インダストリアル・インテリジェンス)」が今回のキーワード。ドイツ連邦政府は、2018年11月に30億ユーロの支援を含む「人工知能戦略」を採択しており、その後、最初のハノーバーメッセとなる。
主催者であるドイツメッセのヨッヘン・ケックラー最高経営責任者(CEO)は「機械学習(マシンラーニング、注)と人工知能(AI)で、ドイツは中国と米国よりも遅れていると指摘する声もある。一般消費者用途の市場ではそうかもしれない」とする一方、「産業分野でも競争が始まっており、ドイツと欧州にとって、産業用途での機械学習こそが大きな商機となる。そして今、AI分野での競争の第2幕が、今年のハノーバーメッセにおいて開かれる」と述べた。
ハノーバーメッセはニーダーザクセン州の州都ハノーバーで開催され、インダストリー4.0から対象分野を広げ、AIと機械学習を重点分野とする。産業と工場のデジタル化のための関連企業が集まる「世界最大規模の出会いの場」を提供する。2019年のパートナー国はスウェーデンが務め、先進的なイノベーションを発信する。また、ジェトロも支援する日独経済フォーラムが期間中の4月3日、AIの産業での活用をテーマに開催される。同フォーラムとしては初めてスタートアップを取り上げ、日独双方のスタートアップ企業がプレゼンテーションを行う予定。
「産業知能」をテーマとするプレゼンテーションの模様(ジェトロ撮影)
(注)機械学習(マシンラーニング)とは、集積されるデータのパターンや特徴を認識して、機械自らが自動的に学習し、その結果、不良を減らし動きの無駄をなくすなど、作業効率を向上させるプロセスとその結果を指す。
(増田仁)
(ドイツ)
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