タミル・ナドゥ州政府、JCCICの要望へ具体的な対応を約束

(インド)

チェンナイ発

2019年03月25日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州にあるチェンナイ日本商工会(JCCIC)と同州政府は3月7日、対話会を開催した。州政府は、JCCICがこれまで要望していた課題についての進捗状況を説明し、幾つかの項目の具体的な対応を約束した。

同対話会は、進出日系企業のビジネス環境改善を目的として毎年開催されているもので、今回で12回目。州政府からはムルガナンダム工業省首席次官を筆頭に、関係省庁・機関幹部ら25人が出席し、日本側からはJCCIC幹部をはじめ、ジェトロ、在チェンナイ日本総領事館(オブザーバー)関係者ら11人が参加した。対話会における主な議題は以下のとおり(表参照)。

表 対話会における主な議題

工場運営上の課題解決を約束

対話会では、複数の議題で州政府から具体的な回答がみられた。

以前からSIPCOT工業団地における水の供給について、供給量不足が工場運営上の課題となっており、州政府はチェンナイ北西部コヤンベドゥに下水処理場の建設を進めていた。同下水処理場は、1日900万リットルの再生水を工業団地に供給する計画で、当初2018年末をめどに完成予定となっていたが、いまだ工事中だ。州政府はこれに対し、2019年10月の完工をめどに尽力するほか、「それまでの期間、代替供給策を検討する」とした。

バラム・バダガル工業団地の土地代値上げ問題については、入居しているヤマハ発動機のサプライヤー各社の土地代が暫定価格のままとなっていたが、最終価格に関する通知が3月末までにされることになった。また、同団地入居企業の敷地内に、周辺村民が飲用水として使用している井戸があり、拡張計画に支障を来している問題については、SIPCOTが井戸の移設に向けた対応を約束した。

港アクセス道路の完工に向けて

そのほか、日系企業が集積する工業地帯と北部2港を結ぶ、アウターリングロードおよびノーザンポートアクセスロードについても討議された(添付資料参照)。

現状、アウターリングロードはフェーズ1が完工、フェーズ2が90%以上完成している。残りの工事部分に関して州政府は、州道56号への接続部分については3月末に、工事が中断している料金所については5月末に完成予定、とした。国道16号に接続する500メートル区間に関する土地収用問題については、マドラス高裁の判決待ちだが、「迂回路の建設も検討している」と説明。また、アウターリングロードと北部2港とを結ぶノーザンポートアクセスロードについては「順次、部分開通に向け、早急に対応する」と述べた。

(奥野幸彦)

(インド)

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