ベイエリア計画、広州市・深セン市を国際的都市に

(中国)

広州発

2019年03月07日

中国共産党中央委員会と国務院は2月18日、「広東・香港・マカオグレートベイエリア発展計画綱要」を発表(2019年2月20日記事参照)したが、ベイエリア計画では、広東省の都市のうち主に珠江デルタ9市(広州市、深セン市、珠海市、仏山市、恵州市、東莞市、中山市、江門市、肇慶市)が対象となっている。そのうち広州市と深セン市については、香港・マカオ同様に、目指すべき具体的役割が記載されている。

広州市は、国家の中心的都市・総合的ゲートウエー都市としての牽引作用を十分に発揮し、国際的商業・貿易センター、総合的交通ハブ機能を全面的に増強する。科学技術教育・文化センター機能を育成・向上し、国際的大都市の建設に力を入れる。

深セン市は、経済特区、全国レベルの中心都市、国家イノベーション新型都市としての牽引作用を発揮し、現代的国際的都市の建設を加速し、世界的な影響力を有するイノベーション・クリエーティブの都となるよう努力する。

その他の都市は、自身の優位性の活用、改革・イノベーションの深化、都市の総合的実力の強化により、特徴が明確な、相互扶助的な、競争力を備えた重要な結節点となる都市を形成するとしている。

また、ベイエリアの牽引役として、珠江・西江経済ベルト(注1)を周辺地域とし、中南・西南地区(注2)の発展を促進し、東南アジア、南アジアにも輻射(ふくしゃ)的作用をもたらす、支柱となる経済ベルトの構築を目指すとしている。

2月21日に香港で開催されたベイエリアに関する発表会で、広東省の馬興瑞省長はベイエリア計画を広東・香港・マカオにとって大きなチャンスだとし、「中央の要求」「香港・マカオの需要」「ベイエリアの向かう所」「広東省のできること」を連携させ、全省を挙げてベイエリア建設を推進すると述べた(「南方日報」2月22日)。

(注1)広東省広州市、仏山市、肇慶市、雲浮市、広西チワン族自治区南寧市、柳州市、梧州市、貴港市、百色市、来賓市、崇左市から構成される経済エリア。

(注2)中南地区は河南省、湖北省、湖南省、広東省、広西チワン族自治区、海南省。西南地区は重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区。

(河野円洋)

(中国)

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