ベイエリア計画綱要を発表、香港は金融やイノベーションなど担う

(香港)

香港発

2019年02月20日

中国共産党中央委員会および国務院は2月18日、広東・香港・マカオベイエリア(粤港澳大湾区)(以下、ベイエリア)発展計画の綱要(以下、計画綱要)を発表した(注)。計画綱要によれば、2022年に世界一流のベイエリアと世界クラスの都市クラスターの基礎固めを行い、2035年に世界一流のベイエリアを全面的に完成させるとしている。

計画綱要では、香港特別行政区(以下、香港)およびマカオ特別行政区(以下、マカオ)の「一国二制度」「港人治港(香港人が香港を統治する)」および「澳人治澳(マカオ人がマカオを統治する)」の下、両地域の高度な自治を包括的かつ正確に実行することなどが明記された。ベイエリア計画の遂行に当たっては、香港、マカオ、広州、深センをベイエリアの4大中心都市と位置付ける。

香港は、国際金融、海運、貿易センターおよび国際航空ハブとしての役割発揮とともに、イノベーション・科学技術事業の発展を促す(表参照)。また、イノベーションに関しては、「香港科技園(Hong Kong Science & Technology Park)」および「サイバーポート(Cyberport)」に、(1)サプライチェーン、(2)テキスタイル、(3)情報通信技術、(4)自動車部品、(5)ナノおよび先端材料の5つの分野において、研究開発センターを建設することなどが明記された。

表 計画綱要における香港およびマカオの役割

香港政府、自らの発展に期待感を表明

香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は同日、計画綱要の発表を歓迎するとともに、香港政府の意見を反映した内容となったことについて、中央政府に感謝を表明した。香港政府は「ベイエリア計画によってもたらされる機会を十分に把握し、中国本土内のニーズと香港の長所を有機的に結合させるとともに、市場メカニズムを活用して、中国本土と香港の発展を実現していきたい」とコメントし、ベイエリア計画の遂行による自らの発展の実現に向けての期待感を表明した。

(注)計画綱要については香港政府のベイエリアを紹介するウェブページPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認できる。

(吉田和仁)

(香港)

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