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USTRが対英通商交渉目的を公表、EU離脱を関税・非関税障壁撤廃の糸口に

(米国、英国)

米州課

2019年03月05日

米国通商代表部(USTR)は2月28日、2015年大統領貿易促進権限(TPA)法にのっとり、英国との通商交渉の目的を公表した。USTRは2018年10月16日に、英国と通商交渉を開始する意思を議会に通知していた(注1)。TPA法は通商交渉開始の30日前までに、各交渉分野について包括的で詳細な交渉目的の公開を義務付けている(注2)。USTRが公表した交渉目的は、物品貿易、衛生植物検疫措置(SPS)、通関・貿易円滑化、原産地規則、貿易の技術的障壁(TBT)、良い規制慣行、透明性・公表・運営、サービス貿易(通信・金融を含む)、デジタル貿易・国境を越えたデータ移動、投資、知的財産、医薬品および医療機器の手続き上の公平性、国有企業(国の統制を受けた企業も含む)、補助金、競争政策、労働、環境、腐敗対策、貿易救済措置、政府調達、中小企業、紛争解決、一般条項、為替の24項目から構成されている。この24項目は、1月に公表されたEUとの交渉目的と全く同じ(2019年1月31日記事参照)だが、知的財産では、商標や特許、著作権などにおいて米国内法と同水準の保護を求めるなど、EUとの交渉目的よりも具体的な内容となっている。

EU離脱は英国の関税・非関税障壁撤廃の良い機会と記載

USTRはまた本交渉目的の中で、米国の輸出者は英国の関税・非関税障壁に直面しているものの、EUに加盟していることから同国と個別に交渉できなかったが、今後、英国がEUから離脱して交渉できるようになることは、関税・非関税障壁撤廃の良い機会になると記載している(注3)。他方、デジタル貿易や金融サービスなどの新しい分野については、ルール形成を主導できる機会になると記載している。

なお、英国との交渉目的においては、EUや日本とは異なり、貿易赤字問題には触れられていない(注4)。米国は2017年に、EUに対しては1,514億ドル、日本に対しては689億ドルの貿易赤字だったが、英国とは32億ドルの貿易黒字だ。

(注1)USTRは、英国との通商交渉開始の意思を議会に通知した同じ日に、EUと日本の交渉開始についても通知している(2018年10月17日記事参照)。

(注2)米国憲法では、外国との通商関係は議会が管轄している。TPA法は、この通商交渉に関する権限を大統領に一時的に付与するもの。TPAが大統領に与えられている場合、議会に対する報告・相談義務など、TPA法に定められた目的や手続きにのっとって政権がまとめた通商協定法案は、議会で修正を受けずに賛否のみの採決に付すことができる。

(注3)具体的な障壁については記載されていない。

(注4)日本との通商交渉目的については、2018年12月25日記事参照

(赤平大寿)

(米国、英国)

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