ジェトロがシカゴで初の水産物商談会とすしセミナー、MAKIからNIGIRIブームへ

(米国)

シカゴ発

2019年03月29日

ジェトロは3月22日、シカゴで初となる日系水産物関連企業と現地卸、外食産業などを対象とした「日本産水産物輸出商談会・寿司セミナーinシカゴ」をバージン・ホテルズ・シカゴで開催した。水産物・水産加工品輸出拡大協議会との共催となった。

2018年の日本から米国への水産物輸出額は333億円で、日本の水産物輸出額全体の約11%を占めており、米国市場の存在感は極めて高い。商談会では、シカゴで以前から食べられてきた巻きずし用のネタだけでなく、現在広まりつつある握りずし用のネタを紹介した。

日本から8社の水産物卸売業者や水産物加工業者が出展。刺身用のマグロやハマチ、イカ・海草・ホタテなどの加工品、カニカマなどを現地レストラン関係者や卸業者にアピールした。出展者からは、「既にニューヨークやロサンゼルスには販路を持っているが、シカゴへの販路拡大のため出展した」「今回の商談会でシカゴでの現地卸やその売り先のレストランが見つかった」といった、具体的なビジネスにつながる成果が聞かれた。

写真 商談会会場(ジェトロ撮影)

商談会会場(ジェトロ撮影)

すしセミナーには、日本橋の「都寿司」から山縣秀彰氏が登壇し、実際にハマチやホタテのすしを握りながら、重要な3つのポイント(衛生状態と鮮度を保つための酢やワサビの使用、手で触れるネタの面積が極力少なくなるよう2本の指で持つこと、すしの1つ1つは全て同じ形に握ること)を説明した。シカゴのレストラン・食品関係者たちは熱心に耳を傾けていた。

シカゴでは、この1年で、OMAKASE(お任せ)スタイルのすし屋だけでも数軒登場するなど、いわゆるMAKI(巻き)ではなく、NIGIRI(握り)がブームとなりつつある。予約が難しいほど盛況の店もあり、このトレンドに乗って、握りずし用のネタをはじめとする日本産水産物の輸入増も期待される。すしブームの高まりは東・西海岸だけでなく、シカゴでも可能性を感じるセミナーだった。

写真 すしセミナーも盛況(ジェトロ撮影)

すしセミナーも盛況(ジェトロ撮影)

(飯田桃子)

(米国)

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