資源増産と消費拡大を背景に2018年のGDP成長率は4.1%

(カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年03月28日

カザフスタン国民経済省付属統計委員会が3月15日に公表した経済速報によれば、同国の2018年のGDPは58兆7,857億3,770万テンゲ(約17兆479億円、1テンゲ=約0.29円)で、GDP成長率は4.1%だった。

カザフスタンの経済は、2011年にGDP成長率7.5%を記録して以降は成長率が低下し、資源価格の下落なども相まって2016年には1.1%となっていた。しかし、2017年は4.0%に回復、2018年はこれを超える成長となった。政府は2018年の予算策定時に同年の経済成長予測を3.8%(2018年4月)とし、IMFは3.7%(2018年10月)、世界銀行は3.8%(2018年11月)と予測していたが、それらよりも高い成長率となった。

GDPを分野別にみると、伸びが最も大きかったのが商業・輸送機器修理で前年比7.6%増、鉱業は4.6%増だった。GDPに占める割合は商業・輸送機器修理が15.9%、鉱業が15.2%となった。このほか、輸送・倉庫も4.6%増(GDPの構成比8.3%)となり、経済成長を牽引した。GDPの11.6%を占める製造業は4.0%増、同じく4.2%を占める農林水産業は3.4%増だった。

統計委員会の経済速報(2018年12月号)によれば、2018年の小売売上高は継続的な家計消費の拡大を反映し、前年比6.5%増の10兆700億テンゲだった。

カザフスタンのエネルギー省によると、同国の2018年の原油生産は9,000万トン、天然ガス生産量は550億立方メートルで、それぞれ過去最高の生産量を記録した(トレンド通信社2019年1月22日)。資源増産とエネルギー価格上昇が、カザフスタンの経済回復に貢献した。

なお、2017年に7.1%(前年末比)だったインフレ率は、2018年には5.3%に低下し、中央銀行が目標とする年間5~7%の間に収まっている。

(今津恵保)

(カザフスタン)

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