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全国で大停電による混乱続く、回復は見通せず

(ベネズエラ)

ボゴタ発

2019年03月12日

ベネズエラのほぼ全土で、3月7日午後5時ごろに停電が発生した。4日が経過した11日においても停電は続き、平日にもかかわらず労働や学校活動の活動停止が、政府により宣言された。ベネズエラではボリバル州のグリ、カルアチ、マカグアの3ダムでの発電が全国の70~80%をカバーしているが、今回は最大のグリダムのシモン・ボリバル水力発電所からの送電網に問題が発生した。首都カラカス市内でも地域により、一時的な電力供給の回復はみられるも、完全復旧には至っていない。

インフレで疲弊している市民にさらなるストレス

病院では、腎臓透析や人工呼吸器が使えないことにより、新生児や集中治療患者などの死者も20人以上に達していると、複数のメディアが報じた。また、通話やインターネット接続サービスも低下し、携帯電話の充電もままならない状態だ。さらに、政府系のラジオ局も放送が途絶えがちで、情報収集が非常に困難となり、より一層不安が広がっている。

カラカス市内は地下鉄も運行停止になり、道路の信号も消えたままだ。飲料水や食料を販売している店舗やガソリンスタンドでは長蛇の列をなしており、一部の市民は川から水をくんでいる。また、ハイパーインフレと物不足の中、入手した食料が冷蔵庫の中で腐敗し、処分せざるを得なくなっていることも、市民に大きなストレスを与えている。夜の市内は、自動車のライトと発電機のあるホテルなどの施設以外は、暗闇に包まれている。略奪も発生しているようだが、現在のところ警察によって抑えられ、散発的にとどまっているという。

グアイド国民議会議長は緊急事態警報を発令

ホルヘ・ロドリゲス通信情報相は、発電所のソフトウエアが米国の攻撃を受けたと発表した。また、ニコラス・マドゥロ大統領は停電発生当日の3月7日に、「米国の帝国主義による攻撃だ」とツイートしたが、9日の政府支持派の集会以降は、混乱への対応や見通しについて沈黙を保っている。一方、フアン・グアイド国民議会議長(暫定大統領)は10日、ドイツ、日本、ブラジル、コロンビアに復旧支援を要請し、11日には、国民議会を通じて緊急事態警報を発し、キューバへの石油供給の停止などを発表した。しかし、回復の見込みに関する公式な発表はない状況のため、市民は途方に暮れている。なお現状では、石油生産に打撃を与えているといった情報は見当たらない。

(マガリ・ヨネクラ、豊田哲也)

(ベネズエラ)

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