ロシア郵便、中国との航空貨物便拡大でEC対応を強化

(ロシア、中国)

欧州ロシアCIS課

2019年03月06日

ロシア郵便は3月4日にプレスリリースを発表し、ロシアと中国間で運航する同社の定期航空貨物便網を拡大させ、新たに江蘇省南京市を加えるとした。増加する中国からロシア向けの電子商取引(EC)貨物に対応するためとしている。

ロシア郵便によると、現在2機の同社貨物輸送機が中国の杭州、鄭州、ハルビンの3都市とロシアの地方都市間を週2~5本程度運航している(2018年実績で合計182本)。杭州では中国南部と香港、鄭州(および南京)では中国中央部、ハルビンでは中国北部を区分として、ロシア向け航空郵便貨物が集荷されている。ロシア郵便は現在、中国子会社を設立中で、設立後には便数がさらに増える見通し。

ロシア向け国際郵便小包の90%は中国からの発送で、ロシア郵便は2018年に過去最高となる3億2,000万個(前年比26%増)の取り扱いを記録している。ロシア郵便は「越境ECの影響で国際郵便小包の数が増え続けており、中国との路線拡大が必要と判断した」としている。

このほか、ロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ総裁は2月27日に沿海地方のオレグ・コジェミャコ知事と面談した。沿海地方政府の発表によると、同総裁はコジェミャコ知事に対して、地方での自動化(デジタル)ロジスティクスセンター建設に100億ルーブル(約170億円、1ルーブル=約1.7円)を投資する予定であること、そのうち沿海地方ではウラジオストク国際空港近郊にロシア極東最大のEC小包の仕分けセンターを建設する予定であることなどを伝えた。主に東南アジア、中国、日本などからの国際航空郵便貨物の取り扱いが想定されている。

なお過去に、ロシア郵便向けにはモスクワやカザン(沿ボルガ地域)で、日系企業が小型小包処理装置など一連の設備を受注・納入した実績がある(2018年8月2日記事参照)。

(高橋淳)

(ロシア、中国)

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