ロシア郵便、日本発欧州向けトランジット輸送開始

(ロシア、日本)

欧州ロシアCIS課

2018年08月02日

ロシア郵便は8月から、日本から欧州向けの船便郵便のトランジット輸送を開始した。ニコライ・ポドグゾフ総裁がロシアのメディアに述べた。ロシア郵便と日本郵便は5月25日、「サンクトペテルブルク国際フォーラム」で「郵便事業における協力に関する包括覚書」を交換し、輸送準備を進めていた。

日本郵便の7月24日付プレスリリースによると、シベリア鉄道を活用した日本発欧州13カ国(注)向け船便郵便物の輸送を8月1日引き受け分から開始。郵便物の差し出しから配達までの所要期間は、現在の2~3カ月からおおむね半分の日数(35日前後)に短縮される。

ポドグゾフ総裁によると、ウラジオストク~モスクワ間の輸送は、シベリア鉄道で毎日運行するロシア郵便所有の貨車「ポチタ(「郵便」の意)」を利用する。ウラジオストクの国際郵便集配所から宛先国の郵便当局に引き渡されるまで、平均的な輸送日数は11~15日(シベリア鉄道の輸送期間8日を含む)を想定しているという。

ロシア郵便と日本郵便は過去数回にわたり協力に関する覚書を取り交わしているほか、東芝はロシア郵便向けに小型小包処理装置、郵便区分機、小包ソータ、税関システムなどを受注・納入している。また、札幌市の北海道総合商事はロシア郵便と協力し、ロシア郵便の店舗内で日本製の食品・日用品などを販売する事業を開始している。

(注)イタリア、オーストリア、スイス、チェコ、デンマーク、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ベルギー、ポーランド、ラトビア、リトアニアおよびルーマニア。

(高橋淳)

(ロシア、日本)

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