8年ぶりの最低賃金法改正法案が上院通過、大統領の署名待ち

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年03月26日

ナイジェリアの月額最低賃金を1万8,000ナイラ(約5,400円、1ナイラ=約0.3円)から3万ナイラに引き上げる改正法案に関する調査報告書が3月25日、同法案を精査した専門委員会からムハンマド・ブハリ大統領に提出された。今後、大統領府が同報告書を基に検討を進め、ブハリ大統領の署名によって法制化される。

ナイジェリアの国家最低賃金法は2011年を最後に改正されておらず、今回の法案が成立すれば8年ぶりの改正となる(2011年4月7日記事参照)。2018年9~11月に、ナイジェリア労働者会議(NLC)が中心となって政府に働き掛けを強め、一時はゼネラルストライキの実施寸前にまで圧力をかけたことが決め手となった。同年11月から国会で法制化の準備が始まり、ようやく2019年3月18日に上院を2度の否決後に通過した。

しかし、ブハリ大統領の署名がいつになるのかは不透明だ。現行の1万8,000ナイラの最低賃金も支払われていない労働者が多く存在している中で、法制化されても、厳格に順守されるかどうか注目される。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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