IMFとアルゼンチン、第3次審査で支払いに向けて合意

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年03月27日

IMFは3月18日、アルゼンチンに対する支払いにかかる第3次審査が実務者間で合意したことを発表した。両者の間では、2018年6月に500億ドルの信用枠の設定、同年9月には71億ドル分の枠の拡大が行われている。今後、数週間以内に開催される理事会で承認されると、上記枠内の108億7,000万ドルがアルゼンチン政府に支払われることとなる。

今回の合意に先立ち、第3次審査のためのミッションが2月11~22日にブエノスアイレスを訪問した。期間中には、ニコラス・ドゥホブネ経済相やギド・サンドレリス中央銀行総裁をはじめ、野党政治家らとも面談を行った。IMFのプレスリリースによれば、財政収支の不均衡は存在するものの、現政権の取り組みを評価しており、経済情勢は回復に向かう兆しがあるとしている。

マウリシオ・マクリ政権は2019年にプライマリーバランス・ゼロの達成を目指しているが、IMFからは一層の緊縮財政が求められるとの指摘があった。一方で、社会的弱者への影響を緩和させるための歳出については歓迎するなど、IMFに批判的な国民感情に対する配慮もうかがえる。

また、インフレ率が過去12カ月間で50%を超え、IMFは高止まりが続いていると指摘しており、中銀が2019年11月までマネタリーベースを拡大しないとの判断については歓迎している。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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