中国2位の長城汽車、約110億元で浙江省に自動車基地を整備

(中国)

上海発

2019年03月04日

民営自動車メーカーの長城汽車は2月23日、110億元(約1,870億円、1元=約17円)を投じ、浙江省嘉興市の平湖経済技術開発区に自動車基地を整備すると発表した。基地の敷地面積は約80ヘクタールで、完成車工場、研究開発(R&D)センターのほか、配車サービスの事業拠点も併設する予定だ。

完成車工場の投資額は52億元に達し、2021年の稼働を目指す。完成すれば、新エネルギー車(NEV)を年間で5万台、ピックアップトラックを2万台生産できる。一方、R&Dセンターの投資額は50億元に上り、コア部品とともに、自動運転を含む「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)」などの開発も推進するという。

長城汽車は香港・上海の証券取引所にそれぞれ上場しており、スポーツ用多目的車(SUV)を主力としている。完成車工場はこれまで、本拠地の河北省保定市のほか、隣接する天津市に設置してきたが、NEVや自動運転関連の開発競争が激化する中、大消費地で、基幹部品メーカーも密集する華東地域へのシフトを本格化させている。平湖経済技術開発区に生産基地を整備するほか、同社は2月20日に江蘇省泰州市政府と、完成車やシャシーなどの工場を建設する契約も交わした。

海外市場の開拓にも積極的

業界団体の乗用車市場信息聯席会の発表によると、長城汽車の2018年の乗用車国内販売台数は前年比3.7%減と縮小したが、中国メーカーでは吉利汽車に次ぐ2位を維持している(表参照)。外国への輸出などを含めた2018年の自動車総出荷台数は105万3,000台で、3年連続で100万台を突破した。2018年の売上高は1.7%減となったものの、純利益は7.0%増の53億9,500万元と好調だった。また同社は、2019年の販売目標を120万台に設定している。

表 中国の2018年メーカー別乗用車国内販売台数

長城汽車は海外市場の開拓にも積極的だ。同社は日本、米国、ドイツ、オーストリア、韓国に海外R&Dセンターを設置しているほか、インドにも子会社を設ける計画も明らかにした。

(劉元森)

(中国)

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