トゥスク常任議長、ブレグジット延期の可能性を示唆
(EU、英国)
ブリュッセル発
2019年03月15日
英国議会で3月14日夕方(現地時間)、3月29日に予定されている英国のEU離脱(ブレグジット)の延期が可決された(2019年3月15日記事参照)。同日、これに先立ち欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長は、英国がブレグジット戦略の再考と合意形成が必要と考えるのであれば、長期間の離脱延期を前向きに考えるよう、EU27カ国に要請する立場を明らかにした。
欧州議会の有識者はブレグジット延期に慎重姿勢
ツイッターでのトゥスク常任議長のメッセージは、3月21~22日にブリュッセルで開催予定の欧州理事会(EU首脳会議)を見据え、EU27カ国に対して向けられたものだ。
しかし、このトゥスク常任議長に対して、欧州議会のブレグジット問題対策グループ座長を務めるギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)は即座にリツイートし、「(英国議会)下院で明確な多数派形成がないのに、EU側がブレグジット延期に同意する必然性は何もない」と投稿した。さらにその後、英国議会で離脱延期が可決されたことを受け、同議員は「英国議会で、超党派でこの膠着(こうちゃく)状態を打開する準備ができていないのであれば、なぜ欧州理事会が延期を認める必要があるのか」とあらためて立場を強調した。
何とか英国との妥協の道を探ろうとするトゥスク常任議長に対して、欧州議会のブレグジット問題の「キーマンのひとり」が難色を示した格好だ。
今後の英国議会の動向次第で、欧州議会も難しい判断を迫られることになる。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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