インドネシア人材活用でビジネスに活路、大阪でシンポジウム

(インドネシア)

大阪本部

2019年03月19日

国際機関日本アセアンセンターと在大阪インドネシア総領事館、インドネシア投資調整庁事務所、大阪商工会議所、ジェトロは3月11日、日本企業におけるインドネシア人材の活用を紹介する「インドネシア人材を活用した海外展開、国内事業運営」シンポジウムを開催し、関西の企業・関係者112人が参加した。

ミルザ・ナルヒダヤット総領事は冒頭の主催者あいさつで、「インドネシアでは、人材育成の向上のためにも、日本企業による大規模な雇用が必要だ」と述べた。

第1部では、インドネシアの労働者派遣政策について、各専門家が紹介した。インドネシア海外労働者派遣・保護庁(BNP2TKI)タタン・ブディ・ウタマ・ラザク事務局長は「インフラ・製造技術が進歩している日本への人材派遣を今後さらに増やしていくように働きかけていきたい」と述べた。また、東海大学教養学部の万城目正雄准教授は「技能実習が効果的に行われるためには、実習生が安全に技能実習を行い、日常生活を円滑に送ることができるようにすることが不可欠だ」と説明した。

第2部では、インドネシア人を採用している日本企業・団体が人材活用の取り組み事例について紹介した。水産事業のFTI JAPANの鳴海健太朗代表取締役は「教育担当者からの直接指導だけでなく、必要な技術を動画で学ぶことができる学習コンテンツを導入することで、能力の底上げとともに効率化が実現できた」と話した。社会福祉法人天神会の岡崎利治理事長は経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者の受け入れ制度の利用について紹介し、「継続的に人材が必要なため、既に活躍している人材から後輩へ知識を移転していく環境づくりが課題だ」と述べた。

写真 熱心に聴き入る参加者(ジェトロ撮影)

熱心に聴き入る参加者(ジェトロ撮影)

3部のパネルディスカッションでは、日本アセアンセンターの中西宏太貿易投資クラスター長がモデレーター、当日の講演者4人がパネリストとなり、参加者からの質問を受けて、活発な議論が展開された。長期的なインドネシア人の雇用に向けて必要とされる取り組みについて、親密なコミュニケーションの構築、意識的にリーダー層を育成する体制を作っていくことなどが各パネリストから挙げられた。

参加者からは「外国人材の受け入れについて具体的なイメージを持つことができた」「インドネシア人がどういう働き方を求めているのかが理解できた」などのコメントが寄せられた。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(小森勝太)

(インドネシア)

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