新車登録台数、5年ぶりの減少

(イタリア)

ミラノ発

2019年03月11日

2018年のイタリアの乗用車の新車登録台数は前年比3.1%減の190万9,952台で、2013年以来5年ぶりの減少となった。外国自動車代理店組合(UNRAE)が2月5日に発表した。

動力源別にみると、ディーゼル車が前年比で12.1%減となり、全体の数字を押し下げた。一方、ガソリン車がシェアを拡大させたほか、ハイブリッドも伸び、電気自動車(EV)のシェアはまだ低いながらも大きく伸長した(表1参照)。

表1 乗用車新規登録台数の動力源別シェアの推移

ブランド別にみると、1位フィアットの台数が19.8%減の31万8,729台となり、ジープは70.8%増で8位に上昇した。日系メーカーでは、トヨタが3.0%増の8万7,832台、日産は12.9%減の5万4,604台だった(表2参照)。

表2 ブランド別乗用車新規登録台数と前年比、市場シェア

モデル別に見ると、フィアットの「ティーポ」が2017年に販売台数が急増した反動を受け、28.0%減の4万337台にとどまった。同社で最も販売台数の多い「パンダ」も14.9%減(表3参照)。フィアットクライスラーグループ傘下のジープの「コンパス」は、2017年のモデル変更の影響で2018年の販売台数が前年比5倍の3万8,900台と大きく伸長した。日本勢では、トヨタの「ヤリス」(日本名「ヴィッツ」)が6.6%増の3万9,416台で全体の11位(前年14位)、日産の「キャシュカイ」は6.0%減の2万9,466台で18位(前年16位)となった。

表3 2018年のモデル別登録台数トップ10

2019年の新車登録台数について、UNRAEは市場成長の不透明性、消費者心理の冷え込みなどを考慮し、188万8,500台(1.1%減)を予測している。

自動車市場を左右する環境規制については、行政による取り組みがさまざまなかたちで進んでいる。自治体レベルでみると、例えばミラノ市では、環境への負荷が大きい自動車の指定区域への進入を規制する「Area C」をさらに強化した「Area B」を2月25日からスタート。まずはユーロ1の排出基準を満たさないガソリン車や、微細物資除去フィルターのないユーロ0~3のディーゼル車の進入が禁止された。段階的な規制強化の予定も明らかにされており、最終的には2030年にユーロ6までのディーゼル車の指定区域進入が禁止される。

国レベルでは、低環境負荷車への移行政策が2019年の予算案に組み込まれているものの、手続きが予定期日になっても開始できない状況が発生している。3月1日からは低環境負荷車の購入に対する補助金である「エコボーナス」制度が開始されたが、制度導入のために各種の調整を要しているとの報道もあり、監督官庁によると、自動車の購入者からの申し込み手続きはまだ開始されていない(3月1日時点)。環境負荷が高い自動車への課税を強化する「エコタックス」制度の3月1日からの開始についても、走行距離当たりのCO2排出量に応じた課税額は定められているものの、課税実施に関する指針は3月1日時点では明らかにされていない。

(山内正史)

(イタリア)

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