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外国とのインターネット通信を制限する法案に、モスクワで大規模な抗議集会

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年03月14日

モスクワで3月10日、外国とのインターネット通信への規制強化を狙った法案に対する抗議集会が行われた。内務省によると、参加者は6,500人(集会・イベント参加者数をカウントするボランティア団体ホワイトカウンターによる集計では約1万5,300人)で、ロシア大手SNSサイトVKontakteやメッセンジャーアプリTelegramの創始者パベル・ドゥロフ氏は「抵抗があったにもかかわらず、ここ7年で最も大規模な集会の1つとなった」との声明を発表。大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は翌11日、「法案の起案者、ロシア政府、大統領府のいずれも、インターネット世界の自由に制限をかけることを望んではいない」と述べ、火消しに追われた。

今回の抗議集会の発端の1つは、2月12日に下院第1読会を通過した通信法、情報・IT・情報保護法などの改正案(通称:「主権インターネット」法案)だ。法案は連邦院(上院)のアンドレー・クリシャス議員、リュドミラ・ボコワ議員、下院のアンドレー・ルゴボイ議員が起案した。ロシアが西側からのサーバー攻撃を受けた際に、グローバルネットワークから遮断し、ロシアにおけるインターネットでの活動の継続を確保することを想定するもの。2018年9月に採択された米国の国家サイバーセキュリティー戦略に記載されている攻撃性への対処と説明している。

主な内容は次のとおり。

  1. 送受信データの経路を制御するルールを策定し、ロシアのユーザー間で交換されるデータの外国移送の最小化を図る。
  2. 送受信データのクロスボーダーライン・ポイントの決定。危機に直面した際にデータ送受信の集権化を実施。
  3. データ送受信元を特定する技術的手段の通信ネットワークへの導入。禁止された情報を伴うソースへのアクセス、通過するデータの制限。
  4. 外国のインターネットサーバーへの接続が不可能となった場合に備えた、ロシアのインターネットリソースの能力を保障するインフラの整備。

法案に対し、連邦デジタル発展・通信・マスコミ省、通信・IT・マスコミ監督局、連邦通信庁、連邦警護庁、連邦技術・輸出管理局は支持を表明する一方、会計検査院は、法案に記載された内容の実施に伴うコストによって製品・サービスが値上がりし、サイバー攻撃に対するリスクの低減の効果を打ち消すと否定的だ。

ボコワ議員によると、必要な予算は2019~2021年の3カ年に盛り込むとしているが、規制を実現するためには200億ルーブル(約340億円、1ルーブル=約1.7円)~数千億ルーブル必要との見方もあり、実現を疑問視する声も出ている。

ロシア産業家・起業家連盟(RSPP)は、ロシアのインターネット通信のサービスの低下やデータ管理を集権化することが逆に安全上のリスクになるとの懸念を示している。

(齋藤寛)

(ロシア)

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