アルゼンチンとウルグアイ首脳、ベネズエラ情勢の民主的解決を確認

(ウルグアイ、アルゼンチン、メルコスール)

ブエノスアイレス発

2019年02月15日

アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領とウルグアイのタバレ・バスケス大統領は2月13日、ウルグアイ西部のアンチョレーナで首脳会談を実施した。2019年1月以降、緊張が高まっているベネズエラ情勢とメルコスールへの取り組みについて意見交換を行った。

ベネズエラ情勢に関して、メルコスール加盟国の中で、アルゼンチンはグアイド暫定大統領を支持している一方、ウルグアイは中立を保っている。仲介役を担おうとするウルグアイとメキシコ、また他の中南米諸国や欧州諸国などから構成される「コンタクトグループ」の会合がウルグアイ首都のモンテビデオで2月7日に開催された。しかし、共同声明は採択されたものの、署名には至らなかった。

今回の首脳会談では、両国は立場の違いを認識しつつも、ベネズエラが国際的な監視下において自由かつ信用ある選挙を実施することで、民主的な解決策を目指すべきという方向性は再確認された。

また両国は、メルコスールの統合プロセスの再活性化と現在協議中の通商協定の前進を含めた近代化に向けて認識が一致した。2019年上半期のメルコスール議長国であるアルゼンチンは、年初からブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領と首脳会談を行うなど、精力的な動きをみせている。また、輸出拡大による外貨獲得を目指すマクリ政権としては、EUや欧州自由貿易連合(EFTA)、カナダ、韓国などといった目下進行中の自由貿易協定(FTA)の早期締結を目指す。一方のウルグアイは、現在メルコスールが交渉中の国・地域に加えて、中国を外交・通商上の重要国として位置付けている。2018年9月の中国との国交樹立30周年イベントでは、「一帯一路」構想に関する覚書をメルコスール加盟国で初めて署名するなど、中国との間で戦略的かつ緊密な関係を続けている(2018年9月7日記事参照)。

(紀井寿雄)

(ウルグアイ、アルゼンチン、メルコスール)

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