1月のインフレ率は前月比2.9%、年後半に向けて漸減へ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年02月21日

国家統計センサス局(INDEC)は2月14日、1月の消費者物価指数の上昇率(インフレ率)が前月比2.9%、過去12カ月間の累積インフレ率は49.3%だったと発表した。市場では前月比で2.5%周辺とみていた中、予想より高めの結果だった。

インフレ率を産業別に過去12カ月間でみると、「交通」(67.3%)の上昇幅が最も大きく、次いで「通信」(63.7%)、「食品・飲料(酒類を除く)」(53.0%)、「家財道具・住宅管理」(52.5%)、「医療・健康」(51.9%)となった(表1参照)。前月比でみると、「通信」(7.4%)が突出する中、「外食・ホテル」(3.7%)、「娯楽・文化」(3.5%)、「酒類・たばこ」(3.5%)、「食品・飲料(酒類を除く)」(3.4%)が続く結果となっている(表2参照)。

表1 過去12カ月間の産業別インフレ率
表2 2019年1月の産業別インフレ率

政府は2019年予算書で、2019年のインフレ率の見通しを23%としたが、その達成は難しいとされている。政府のマクロ経済政策を担うミゲル・ブラウン経済省経済政策担当副大臣によると、今後数カ月でインフレ率は前月比2~3%台で安定し、年後半に向けて下がり、2019年は28%周辺になると紹介している(「テラム」紙2月14日)。現地民間エコノミストによる最新の経済見通しの集計値(REM)では、2019年インフレ率は29.0%となっている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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