2018年の小売販売指数は2年連続で増加
(ブラジル)
サンパウロ発
2019年02月28日
ブラジル地理統計院(IBGE)の2月13日の発表によると、2018年通年の小売販売指数は2.3%増となった(表参照)。前年の実績は2.1%増で2年連続の増加となる。ただし、この2年間の合計増加率は4.4%増と、2015年から2016年の2年間合計の減少率10.3%と比較すれば低く、依然として回復途上にある。自動車・同部品や建築資材を含めた拡大小売販売指数では5.0%増と、前年の4.0%増を上回った。
分野別に結果をみると、通年で最も高い伸び率を記録したのは、自動車・同部品で15.1%増と、2007年に記録した数値(22.6%増)に次ぐ高い値だった。IBGEでは、「金利低下に伴う金融環境の改善により自動車向けファイナンスが伸びたため」と分析している。ブラジル中央銀行の資料によると、2018年12月時点の自動車向けファイナンス残高は、法人向けで前年同月比62.4%増の279億レアル(約8,231億円、1レアル=約29.5円)、個人向けで13.7%増の1,704億レアルだった。個人向け自動車向けファイナンスの金利(注)をみると、2018年12月時点で年率23.0%と前年同月の24.4%から低下した。自動車・同部品以外では、その他個人・家庭用品(7.6%増)、医薬品・化粧品・香水(5.9%増)と続いている。
逆に減少したのは、新聞・雑誌・文房具(14.7%減)、燃料・潤滑油(5.0%減)、衣料品・靴(1.6%減)などとなっている。IBGEは燃料・潤滑油のマイナスについて、2018年は消費者物価上昇率を上回る値上がりがあったためと指摘した。IBGEによる拡大消費者物価指数(IPCA)をみると、2018年の通年上昇率は3.75%だが、自動車用燃料は6.17%だった。
全国商業・サービス業・観光業連合会(CNC)は2019年の見通しについて、経済活動全般と個人消費の増加により引き続き業績は上向くとしており、2019年の小売販売指数の見通しを3.0%、自動車・同部品、建築資材を含めた指数で5.6%と述べている(2月13日付リリース)。
(注)中銀がクレジットコスト・インデックス(ICC)として発表している数値。
(二宮康史)
(ブラジル)
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