2018年12月の輸出額は前年同月比0.3%増、輸入額は2.4%減

(インド)

チェンナイ発

2019年02月13日

インド商工省は1月15日、2018年12月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比0.3%増の279億ドル、輸入額は2.4%減の410億ドルとなった(図参照)。貿易収支は131億ドルの赤字で、前年同月の赤字額(142億ドル)より7.7%縮小した。

図 インドにおける輸出入額の推移

伝統的な輸出品目である、石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は211億ドルで、前年同月比で1.1%増加した(表1参照、注)。主な輸出品目では、前年同月比で輸送機器が9.4%増、機械・器具が9.0%増と伸びがみられた一方で、鉄金属・非鉄金属が15.4%減、鉄・鋼鉄が35.7%減となり、輸出額全体では0.3%増と、2018年11月(0.6%増)から2カ月連続で低水準となった。

表1 インドの主要品目別輸出(通関ベース)

原油・石油製品の輸入額は前年同月比3.2%増

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は106億7,000万ドルで、前年同月比で3.2%増加した(表2参照)。一方、原油・石油製品以外の輸入額は303億7,000万ドルで、前年同月比で4.2%減少した。主な輸入品目では、化学・化学関連品が10.6%増、一般機械が14.7%増、鉄金属・非鉄金属が10.9%増と伸びがみられた一方で、金・銀が19.3%減、真珠・貴石が28.1%減、輸送機器が17.4%減、通信機器が44.2%減となり、輸入額全体では2.4%減と、2016年9月以来、2年3カ月ぶりにマイナスに転じた。

表2 インドの主要品目別輸入(通関ベース)

商工省は新たな輸出戦略の策定へ

輸出額が伸び悩む中、スレシュ・プラブ商工相は「2019年を輸出の年にする」とし、「自由貿易協定(FTA)の締結や、海産物の輸出拡大に向けた外国企業の投資誘致、国内の労働集約型産業に対するインセンティブ付与など、さまざまな方策を検討している」と述べた(「ビジネス・スタンダード」紙2018年12月26日)。今後、アフリカ大陸や中南米を重点地域として、地域別の輸出戦略を策定する方針だ。

(注)本記事における主要品目別分析は、インド経済モニタリングセンター(CMIE)のデータを用いている。

(榎堀秀耶)

(インド)

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