海南省、2018年のGRP成長率は5.8%

(中国)

広州発

2019年02月08日

海南省統計局の1月25日の発表によると、2018年の海南省の域内総生産(GRP)の成長率は5.8%となり、総額は4,832億500万元(約7兆7,313億円、1元=約16元)で、成長率は2017年を1.2ポイント下回った(図参照)。

図 海南省における実質GRPおよび成長率の推移

産業別の成長率は第一次産業が3.9%、第二次産業が4.8%、第三次産業が6.8%だった(表参照)。サービス業は前年比6.8%増の2,736億1,500元で、海南省GRPへの寄与率は66.9%となり、経済成長の重要なエンジンとなった。旅行客数は11.8%増の7,627万3,900人、旅行収入は14.5%増の950億1,600万元と、いずれも2桁の伸びを示した。

表 海南省の主要経済指標

投資は減少、不動産と自動車市場は不況

項目別では、固定資産投資が前年比12.5%減(22.6ポイント下落)だった。うち、不動産開発投資は16.5%減で、住宅の販売面積は37.5%減の1,432万2,500平方メートルとなり、住宅売上高は23.2%減の2,083億2,900元と大幅に減少した。

社会消費品小売総額は前年比6.8%増(4.6ポイント下落)の1,717億800万元だった。化粧品、通信機器、アクセサリーの小売額がそれぞれ32.9%増、16.2%増、14.4%増となった。免税類商品の小売額は24.8%増の100億9,900万元だった。自動車類は減少しており、21.2%減となった。

一定規模以上(注)の工業企業の付加値額は6.0%増だった。うち、石油加工産業が12.9%増、医薬製造業が15.9%増、自動車製造業は33.2%減となった。

貿易規模は拡大、自動車の輸出は過去最高に

貿易額は前年比20.8%増(27.3ポイント上昇)の848億9,600万元で、うち、輸出が0.7%増の297億6,700万元、輸入が35.4%増の551億2,900万元だった。

貿易相手国・地域別では、香港が30.1%増、中東が28.2%増、アフリカが2.1倍となる一方で、米国が3.5%減、日本が10.3%減、EUが20.6%減、ASEANが15.3%減となった。商品別をみると、輸入では、航空機が2.5倍の201億5,000万元で、輸入総額の36.6%を占め、貿易増加への寄与率は17.1%となった。輸出では、自動車の輸出額が13億8,000万元で過去最高だった。

海南省統計局は2018年の経済状況について、全体的に安定しており、不動産業への依存度が低下するなど、安定の中で質が向上している一方、解決すべき問題も少なからず存在しているとした。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(郭冬梅)

(中国)

ビジネス短信 d0c4d2e1d90753bd