EU・英国首脳が再会談、ブレグジット問題めぐる溝埋まらず

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年02月21日

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長と英国のテレーザ・メイ首相は2月20日、ブリュッセルで2月7日(2019年2月8日記事参照)に続く首脳会談を行った。ただ、内容は現状確認に終始し、3月30日午前0時(中央ヨーロッパ時間)の英国のEU離脱(ブレグジット)予定日が迫る中、依然として打開策はみえていない。

バックストップをめぐり、依然として視界不良

両首脳は、アイルランドと北アイルランドの国境問題をめぐる安全策(バックストップ)についてはあくまでも「暫定的措置」であることを再確認。ブレグジット以降も、EU域内市場と英国市場をそれぞれ尊重しつつ、北アイルランド地域における国境管理の厳格化を回避する方針を確認した。

また、両首脳は、欧州委のミシェル・バルニエ首席交渉官と英国のスチーブン・バークレイEU離脱相を通じて方針を協議・検討している、将来、バックストップに置き換える代替措置や、双方の立場を尊重する範囲で、離脱協定案と併せて2018年11月25日に欧州理事会で承認された政治宣言について、項目追加や文言修正を行う可能性などについても協議した。ただ、肝心なバックストップを含む離脱協定をどう妥結するのかの道筋はみえてこない。

なお、両首脳は2月末までに再度、会談する予定だ。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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