ユンケル委員長、メイ首相との会談でブレグジット協議継続を確認

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年02月08日

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は2月7日、英国のテレーザ・メイ首相と会談。EU側として、離脱協定案に関わる再交渉の余地を否定したが、政治宣言案については文言を追加するなどの可能性があるとの考えを明らかにした。

見えない打開策に危機感募るEU

欧州委は今回の会談について、「英国の秩序あるEU離脱(ブレグジット)を実現するため、協同の精神で進められた」としたが、双方の溝は完全には埋まらず、両首脳は「EUの交渉ガイドラインを尊重しつつ、英国議会の広い支持が得られる打開策を見いだすため、協議を続ける」との方針を確認するにとどまったとされている。両首脳は進捗状況の確認のための会合を2月末までに再度行う予定だ。

同じ日にメイ首相と会談した欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長も「最終的な打開策を見いだすには至らなかった。協議を継続することになる」という現状認識を示している。

なお、トゥスク常任議長は2月6日にアイルランドのレオ・バラッカー首相と会談した際、「安全に離脱するためのプランも描かずにブレグジットを推進した人々を待つ地獄がどんなものか考えることがある」と語り、具体的な打開策が見えない現状に厳しい評価をしている。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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