米司法省、華為技術と孟CFOの起訴を発表
(米国、中国)
ニューヨーク発
2019年02月01日
米司法省は1月28日、中国の大手通信機器メーカー華為技術(ファーウェイ)とその関連会社、および同社の孟晩舟最高財務責任者(CFO)をシアトルとニューヨークの連邦大陪審がそれぞれ起訴したと発表した。
シアトルの大陪審では、華為技術が組織的にTモバイルの携帯電話用検査ロボットの技術を盗み出したとして起訴された。起訴状には、同社の技術者が機密保持契約に違反して、ロボット機器の写真撮影を無許可で行ったほか、部品を持ち出したことなどが記されている。ニューヨークの大陪審は、華為技術がイランの子会社スカイコムとの資本関係を取引銀行に対して否定し、米国のイラン制裁を順守していると偽ったとした。その上で、華為技術による間違った情報を基に、これらの銀行は同社と取引を続け、イラン関連の米国内取引を禁じるイラン制裁に違反することになったと非難している(注)。
そのほか、マシュー・ウィテカー司法長官代行は、カナダ司法当局が米国との犯罪人引渡条約に基づいて、2018年12月に仮逮捕した華為技術の孟CFO(2018年12月7日記事参照)について、米国政府として身柄の引き渡しを正式に要請していることを明らかにした。なお、ウィルバー・ロス商務長官は、本件は法執行の問題で、実施中の中国との貿易協議とは関係がないと発言した。
(注)起訴内容の詳細については、それぞれの起訴状(シアトル、ニューヨーク)を参照。
(鈴木敦)
(米国、中国)
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