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米国進出企業を中心に広がる保護主義への懸念、ジェトロの日系企業実態調査

(米国、中国、中南米、カナダ、ASEAN、EU、インド、シンガポール、インドネシア)

海外調査部

2019年02月22日

ジェトロは、2018年9~12月、世界各国・地域(北米、中南米、アジア・オセアニア、欧州など)に進出している日系企業に対し、「関税引き上げなどの(世界的な)保護主義的な動きの影響」に関するアンケート調査を実施し、その内容を2月22日に発表した(注1)。

保護主義的な動きによる事業への影響について、国・地域により程度の違いはあるが、どの地域でも日系企業は「マイナスの影響がある」と回答し、その割合は、米国(75.0%)、カナダ(61.0%)、中南米(45.5%)、中国(37.3%)となった(図参照)。

図 各国・地域における保護主義の影響

「マイナスの影響あり」と回答した米国進出企業の割合は75.0%

非鉄金属・金属製品・輸送用機器を中心に、米国進出日系企業の75.0%が、関税引き上げなどによる調達・輸入・生産コストの上昇といった、保護主義的な動きが事業にもたらすマイナスの影響を懸念している(注2)。この75.0%のうち、営業利益見込みが実際にマイナスになっている日系企業は26.7%だった。事業に影響があるとした米国進出日系企業の44.9%が「販売価格の引き上げ」により対応すると回答しており、「調達先の変更」を検討する割合(24.3%)よりも高い。「生産拠点の変更」は8.3%だった。

中国進出企業は経済減速やサプライチェーンなどの影響を懸念

中国では、広州(51.4%)・青島(41.5%)・上海(39.0%)など輸出企業が多い沿海地域への進出企業で「マイナスの影響あり」との回答が比較的高くなった。輸出減による「海外売上」の減少(48.1%)よりも「国内売上」(55.3%)への影響を懸念する企業が多く、中国経済自体の減速や中国国内のサプライチェーンなどを通じた影響への危惧が強いことが見て取れる。

その他地域での進出企業への影響は限定的

欧州進出日系企業全体では25.2%だが、生産拠点が集積する中・東欧が、西欧よりも相対的に高かった。このほか、ASEAN・南西アジア・オセアニアでは、シンガポール(25.1%)、インドネシア(22.8%)、インド(20.7%)で2割を超えた。

(注1)ジェトロでは、経営実態に関するアンケート調査を毎年、地域別に実施し、「海外進出日系企業実態調査」として公表している。2018年度の調査では、従来の調査項目に加え、「関税引き上げなどの(世界的な)保護主義的な動きの影響」に関する追加質問を設けたことから、今回発表。なお、各地域の2018年度「海外進出日系企業実態調査」の対象進出日系企業数は合計で1万7,317社(うち、回答企業数7,593社、有効回答率43.8%)。

(注2)現在生じている影響だけでなく、今後被り得る影響への「懸念」も含まれる。

(米国、中国、中南米、カナダ、ASEAN、EU、インド、シンガポール、インドネシア)

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