中国の中央国有企業、コスト削減などで2桁の増益

(中国)

北京発

2019年02月04日

中国財政部は1月22日、2018年通年の国有企業の業績など外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。利益総額は前年比12.9%増の3兆3,877億7,000万元(約54兆2,043億円、1元=約16円)となり、うち、国務院国有資産監督管理委員会傘下にある中央国有企業の利益総額は、12.7%増の2兆399億1,000万元に達した。業種別にみると、石油化学・鉄鋼分野の企業が大幅な増益となった。

また、国有企業全体の2018年の売上高は前年比10.0%増の58兆7,500億7,000万元だった。うち、中央国有企業の売上高は9.8%増の33兆8,781億8,000万元、地方国有企業の売上高は10.4%増の24兆8,718億9,000万元となった。

中央国有企業が経済の下押し圧力に直面しながらも、2桁の増益を達成した要因について、国有資産監督管理委員会の彭華崗秘書長は1月17日の記者会見で、「マクロ経済の安定成長、外部環境の改善、企業自身の管理強化などが利益増加に寄与した」と述べた上で、「特に、企業改革に伴うコストの削減、経営効率の向上が重要な役割を果たした。具体的には、中央国有工業企業の売り上げ100元当たりのコストが前年比0.4元減少した。これは一見わずかな額にみえるが、20数兆元以上という売上高のある中央国有工業企業にとっては、このコスト削減によって1,000億元近くの利益が出ることになっており、非常に重要な作用を発揮した」との認識を示した。

また、経営困難に陥っている「ゾンビ企業」の現状に関して、彭秘書長は「財務処理と従業員の配置転換が難点だが、2018年末までに1,900社超の『特別な困難を抱えるゾンビ企業』の処理を終えた。これらの企業は2017年と比べ373億元、2015年と比べ2,007億元、それぞれ損失を削減し、増益となった」と表明し、今後、ゾンビ企業の市場からの退出をさらに進め、同企業の減損処理に重点的に取り組む方針を示した。

(趙薇)

(中国)

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