ケニア通信業界2位と3位が合弁会社を設立

(ケニア)

ナイロビ発

2019年02月20日

インド最大の携帯電話事業者バーティ・エアテルの子会社で、ケニア通信業界2位のエアテルと同3位のテルコムが2月8日、合弁会社「エアテル・テルコム」の設立を発表した。テルコムのプレスリリースによると、コスト削減や営業の効率化のためオペレーションや販売ネットワークを共有する。2社のブランドやサービスは合弁後も継続される。2018年9月にケニア通信局が発表したデータでは、携帯電話の契約数はエアテルが全体の22.3%、テルコムが8.9%を占めている。合弁を組むことでシェアは約31%に拡大する。

ケニア通信局によると、2018年第3四半期(7~9月)までにケニアの携帯電話契約数は人口比100.1%に達した。ケニア中央銀行が発表した2018年のモバイルマネー取引額は3兆9,843億ケニア・シリング(約4兆3,827億円、Ksh、1Ksh=約1.1円)で、2017年を9.5%上回った。

業界2位と3位合弁設立に、キャリアの多様化や値下げ、サービスの底上げに期待の声が高まる。ただ、業界最大手のサファリコムとの競争は厳しい。サファリコムは携帯電話契約数で64.2%、モバイルマネーサービスでは、同社の看板サービス「エムペサ」(M-Pesa)が取引数で78.8%、取引金額でも78.2%と高いシェアを占めている。モバイルマネーでは、合弁を組む2社の取引数や取引額はいずれもシェア1%に満たない。2018年には寡占状態緩和のためキャリア間の送金手数料を大幅に下げたが、現在のところ目立った効果は確認できない。「エムペサ」がモバイル決済のプラットフォームとなりつつある状況下、通信料の安さや低中所得者へのプリペイド携帯の販売網を強みとする「エアテル・テルコム」がセカンドキャリア(2台目)の需要をつかんでいけるかどうか注目される。

(久保唯香)

(ケニア)

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